サービス内容が曖昧な契約は不満の根源となりうる

税理士は何でも屋。

そう思っていらっしゃるお客様とたまに出会います。

これはお客様がこれまで出会われてきた税理士がそのような対応をしていたことが原因だろうなと思います。

言われたことはすべてやるスタイルの税理士ですね。

私からするとそれはもう税理士ではありません。

単なる何でも屋さんです。

目次

税理士は何でも屋ではない

お客様から依頼されたことはすべてやる。

これが以前勤めていた税理士法人のやり方でした。

その事務所以外にも、何でも屋をうたっている税理士事務所があることは知っています。

つまり、何でもやりますよっていうのを暗に売りにして新規顧問を獲得している事務所ですね。

これはこれで戦略なんだろうと思いますが、これって誰に負担がいってるかをご存じでしょうか。

なんとなく想像がつくと思いますが、税理士事務所の職員さんがその負担をすべて担っています。

何でも屋を暗にうたっている事務所は基本的に顧問料が安いです。

安く、何でもやりますよ。

これがウリですからね。

何でもやりますって、所長が自らやるならわかります。

全然問題ないと思います。

でも顧問先様を担当するのって所長ではないですよね。

基本的には職員さんです。

何でもやりますよって言うのは所長。

実際にやるのは職員。

そしてその職員さんは基本的に薄給です。

税理士業界は薄給で激務が基本です。

少なくとも私の勤務時代はそうでした。

働き方改革なんて言葉がありますが、そんなの関係ない事務所がほとんどです。

報酬が安いということは、顧問先数を抱える必要があります。

顧問先数が多いということは、職員が1件の顧問先にかけられる時間も短時間であることは頷けるのではないでしょうか。

そんな状況で、あれやってくれ、これもやってくれ。

職員は夜まで残業したり、土日に出勤しながら可能な限り対応しようと努力します。

しかし、それもどこかで限界がきます。

正直どんなに優秀な職員でもそんなに対応なんて出来ません。

そして時間が経つにつれて、色々やってくれるという約束だったのにやってくれない、と不満へ変わります。

職員は頑張っていますが、対応しきれないくらいの担当を持つことも珍しくありません。

しかも税理士は決算の時に来るだけ。つまり年1回しか来ない。

それが不満へと変わり、顧問契約自体を解除する事態に。

もちろんホワイトな事務所もあります。

でも、そんなホワイトな事務所は何でも屋ではありません。

きちんとお客様から見合った報酬を頂いて、きちんと職員さんにも見合った給料を支給しています。

お客様にとっては便利で何でもしてくれる、しかも安い税理士事務所は、その分職員さんが疲弊していることをわかって頂きたいなと思います。

ブラックを経験している身としては、そんなブラックな事務所が減っていくことを願っています。

サービス内容を明確に提示する

税理士との契約で良くないのが、サービス内容が曖昧という点があります。

これは契約書においても同じ事が言えます。

「顧問契約=何でもやってもらえる」ではなく、こういうサービスを提供できますというのをもっと明確にするべきかなと思います。

もしくは、ここまでのサービス内容であれば顧問料はいくら。

これを追加するなら顧問料はいくら。

という風に、段階的にオプションを受ける感じで顧問料も引き上げていくやり方でも良いかと思います。

そうすることにより、お金を払うくらいならこれだけでいいやってなるかもしれませんし、お金を払ってでもサービスを受けたいと思って頂けるかもしれません。

これはお客様と税理士の相性の問題だと思います。

この税理士にお願いしたいと思って頂くように税理士も努力し続けなければなりません。

税理士はサービス業です。

お客様にご満足頂けるように日々試行錯誤しながらサービスを改善していく必要があります。

それには提供するサービスをきちんと明確にし、そのサービスの質をあげていく必要があります。

税理士業に関係ない仕事で幅を広げるのであれば何でも屋になれば良いだけです。

税理士という職業は、質をあげることが重要だと思っています。

知識と経験をサービスに転化し、価値提供していくのが税理士という仕事です。

だからこそ、提供できるサービスを明確化させることが大事だと思っています。

明らかなミスマッチングは契約するべきではない

契約において、お客様が重視している点を税理士が提供するサービスで満足して頂けるかを考えてから契約するべきだと思います。

まだまだ安い顧問料を期待しているお客様もいらっしゃいます。

前の税理士はこのくらいの顧問料だった。

良く言われますが、だいたいはその金額ではお受けできません。

安すぎるからです。

前の税理士の不満を色々お聞きしますが、この顧問料だとそうだろうなと思うことが多いです。

税理士と契約したのに税理士が来ないとか。

そりゃそうです。

だってその顧問料は職員さんが薄給だから成し得る金額で、税理士本人が担当するならその顧問料ではやらないはずですよっていう金額ですから。

お客様が求めるサービス内容と税理士が提供できるサービス内容、そしてお客様が求める報酬金額と税理士が求める報酬金額が合っているかどうかはとても大事だと思います。

どちらかが妥協してしまうと、いずれは不満が爆発します。

行き着く先は顧問契約の解除です。

サービスや料金以外にも顧問契約解除の理由はありますが、このふたつがカギとなると思っています。

ミスマッチングな契約は後々お互いにとって良くない結果となります。

お互いに納得してから契約をすれば、回避できることです。

長いお付き合いになればなるほど、税理士はお客様のためにもっともっと努力しようと思えるものです。

お互いに成長していける関係がお互いにとって良い契約になると思います。

明らかにミスマッチングな契約は最初からするべきではありません。

    

【編集後記】
今朝は3時45分起床。ルーティーン後に仕事。
今日は午前中に面談を1件。
午後から銀行同行を1件。
その後にカフェにてブログ&勉強。

【家族日記】
昨日は子供たち3人を連れてお出かけしてきました。
ひとりで3人を連れていくのは久しぶりだったかも。
やっぱり大変だなと思い、ママの大変さを改めて痛感。
世のママさん達はやっぱり凄いです。

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