ひとり税理士に依頼するメリットとデメリット

私は2018年に税理士登録し、2019年に開業しました。

その際に目指したのが「ひとり税理士」。

むしろひとり税理士でなければ独立していかなかったかもしれません。

誰かに指図されたり、誰かに指示したり、があまり好きではありません。

ならば全部自分でこなすスタイルの方が合っている。

最近はひとり税理士も増えてきていますが、まだまだ少数派です。

そんなひとり税理士に依頼する場合には、メリットとデメリットを意識しておく必要があるでしょう。

もちろん大手に依頼するにはそれなりのメリットとデメリットがあります。

どちらが良い悪いではなく、自分に合うか合わないかだと思っています。

目次

ひとり税理士に依頼するメリット

担当者がコロコロ変わることがない

税理士事務所に依頼した時に、よくあるのが担当者がコロコロ変わること。

これは税理士事務所あるいは税理士法人へ依頼したことがある方であれば経験があるかもしれません。

税理士に依頼をし、その職員さんが担当につく。

これが一般的な流れです。

私も勤務時代、受験生時代はこの「担当者」として仕事していました。

その担当者がコロコロ変わるのが、税理士事務所のあるあるです。

理由は様々ですが、数年あるいは早いと数ヶ月で担当者が変わることがあります。

退職だったり、事務所の配置換えだったりがその理由です。

まぁ多くは退職が理由なんですが。

ひとり税理士の場合には、その職員へ任せるという考えがありません。

つまり、仕事を受任するのは税理士、担当は職員という税理士事務所のスタイルではないので、受任した税理士本人が担当者となります。

そして職員が退職して担当が変わるという煩わしさもありません。

担当者はずっとその税理士です。

これは大きなメリットだと思います。

担当は経営者である

これも担当者の話になりますが、税理士事務所や税理士法人のお客様は基本的に経営者です。

経営者には経営にまつわる悩みや課題が日々生まれます。

その相談相手となるのが顧問税理士です。

顧問税理士といっても、先ほどのように職員さんが担当をしている場合には、経営者としての悩みに現実味を感じないことがあります。

担当者自身が雇用される側です。

雇用する側の悩みや相談を雇用される側が相談を受ける形になります。

もちろんこれにはメリットもあります。

雇用される側の気持ちを聞けるという点では、労務関係の相談などには応じやすいかもしれません。

しかし、それ以外の経営に関する悩みや課題については、同じく経営者である所長税理士も感じることでしょう。

例えば資金繰りの悩み。

これは雇用される側である担当者が感じる悩みではありませんよね。

経営者側、つまり様々な経費を払う立場である所長税理士が感じる悩みです。

同じ悩みを持っていますから、相談にもアドバイスにも現実味があります。

所長税理士の経験からアドバイスすることになります。

ひとり税理士に依頼するメリットのひとつに、担当者自身が経営者であるという点がありますね。

この違いは大きいのではないかと思います。

ひとり税理士に依頼するデメリット

記帳代行を受けないことが多い

ひとり税理士の場合には、文字通りひとりです。

ひとりですべてのことをこなす必要があります。

そうなると、税理士事務所の基本スタイルである、記帳をまるごと引き受けるというスタンスでは時間が足りなくなり、こなすことができません。

なのでひとり税理士の多くは、記帳代行を受けていません。

もちろん記帳代行を受けているひとり税理士もいますので、すべてのひとり税理士が受けていないということではありません。

それぞれやり方があります。

私の場合は、記帳代行は受けていません。

記帳はリアルタイムでやるべきだと思っていますので、記帳はお客様で行って頂くスタイルです。

ひとり税理士によってそのスタイルも様々ですので、契約前にきちんと確認することが大事になります。

電話のみのコミュニケーションを好まない

ひとり税理士の場合、すべてをひとりでこなします。

つまり、総務、営業、担当業務、広報など、経営にまつわることをすべてひとりでやっています。

ホームページの作成だって、ブログだって税理士自身がやっています。

そのため、コミュニケーションの手段として電話のみとなると、対応できないことも多くなります。

電話というコミュニケーションは、かける側がタイミングが良くても、受ける側がタイミングが悪ければ成立しません。

基本的にひとり税理士の場合には、電話を受けるタイミングというのはありません。

タスクや移動の合間にメールをチェックしたりLINEをチェックしたりします。

コミュニケーションが電話のみという方の場合には、なかなか連絡が取れなくて不満が溜まってしまうということもあるでしょう。

ひとり税理士に仕事を依頼する場合には、メールやチャットやLINEでのコミュニケーションが前提となることが多いので、事前に確認しましょう。

引継ぐ人がいない

これは担当者が税理士自身というメリットがある反面、担当者が税理士しかいないという点がデメリットとなります。

ひとり故に、その税理士が怪我をしたり、入院をしたりした場合、代わりがいません。

そのために自己管理を徹底しているひとり税理士が多いですが、万が一の時は会社側にも影響がでる可能性もあります。

ひとり税理士に記帳代行を丸っと依頼している場合などには、このリスクも大きくなるかもしれません。

記帳がストップしてしまいます。

そういったリスク回避の意味でも、私の場合は記帳はお客様側、会計ソフトはクラウド会計を前提としています。

万が一入院していても、クラウド会計であれば数字もすぐに確認できますし、数字を見ながらZoomでミーティングも可能です。

決算についても、遠方のお客様の場合にはZoomで対応しています。

その場所が事務所から病室に変わったとしても、作業ができる体調であれば問題なく可能になります。

リスク管理や自己管理を徹底しているひとり税理士は多いですが、代わりがいないというリスクは最大のデメリットかもしれません。

結局は「人」と「人」

ひとり税理士のメリットとデメリットを書きましたが、最後は人と人の相性だと思っています。

大手の税理士事務所であっても、ひとり税理士の事務所であっても、対応するのはひとりの人、担当者です。

担当者と合わなければ相談もしづらいし、連絡しづらいですよね。

お互いにルールを守り、約束を守り、信頼関係ができあがっていくと、ちょっとしたことでも相談しやすい関係になります。

このちょっとしたことでも相談できる程の信頼関係を作れることが大事だと思っています。

結局は人と人の相性。

これは何事でもいえることだと思いますね。

まとめ

税理士の働き方も多種多様になってきました。

そんな中でも私のスタイルであるひとり税理士はまだまだ少数派です。

税理士にはそれぞれ個性があって、それぞれやり方も違います。

それがまた良い職業だなと感じる部分でもあります。

自分の好きなスタイルで仕事ができますので、やる気も上がります。

やる気が上がればサービスの質を高める努力もします。

それがまた楽しかったりするので、良い相乗効果が生まれていると思います。

     

【編集後記】
今週は起床時間が乱れました。
確定申告時期で多少の疲労がでてきているのかもしれません。
まだまだ業界の繁忙期は続きますので、体調管理もしっかりしていこうと思います。

【家族日記】
今週は息子くんとふたりでキラメイジャーの映画を観にいってきました。
「キラメイチェンジ!キラメコウゼー!」と口癖のように言う息子くん。
めちゃくちゃ静かに映画を観ていてパパはびっくり。
ポップコーンを適度に食べながら、コーラを適度に飲みながら、息子くんは映画に夢中でした。

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