令和3年2月から法人設立ワンストップサービスの対象に定款認証・設立登記・GビズID発行が追加されました。
これでその名の通り、法人設立に関する手続きを一括してできるようになりました。
法人を設立すると色々は行政機関に手続きしないといけません。
その手続きを一括してできるサービスなので、とても便利なサービスかなと思います。
ただ、法人を設立する一般の方がこれを利用するかというと、現状は・・・かなという印象です。
登記・労務・税金関係をすべて自分で手続きするなら便利
法人設立の流れとして、定款認証、設立登記、設立届出書提出、年金事務所や労基署の手続きをする必要があります。
法人設立ワンストップサービスでは、これらの手続きをマイナポータルという一つのオンラインサービスを利用して一括可能になります。
これまでは、公証役場で定款認証し、法務局で設立登記を申請し、晴れて法人が設立されたら税務署や都道府県や市町村へ税金関係の設立届出書を提出し、年金事務所や労基署やハローワークで労務関係の手続きをする必要がありました。
これらは手続き先の機関が全て異なります。
非常に面倒。
上記の図のように、これらの手続きをオンラインでまとめて手続きできるよーっていうのが法人設立ワンストップサービスです。
とても便利ですよね。
法人設立関係の手続きを全て設立する方がご自分でやられる場合には、とても便利なサービスではないかと思います。
必要になるものも代表者のマイナンバーカードとパソコンとICカードリーダーのみ。
一応スマホでも可能です。
各機関へ出向く必要もなく、パソコン上ですべて完結するので非常に便利。
法人設立ワンストップサービスの手続きの流れは下記に詳しく載っています。
https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop
(内閣府 法人設立ワンストップサービスのサイト)
税理士が代理でできる手続きはすべてe-Taxで可能
法人を設立される場合に税理士が代理で行う手続きについては、税務署や都道府県や市町村への設立届出書の提出がメインとなります。
その他税務署には青色申告の承認申請や源泉関係の届出なども行います。
法人設立ワンストップサービスで提出可能となる税金関係の手続きは下記の表の通りです。
こうやってみると、すべての手続きがe-Taxで可能なものです。
つまり、e-Taxで既にオンライン手続き可能なので、税金関係にのみフォーカスすると税理士には何もメリットはありません。
むしろ難しい設定を行ってまでe-Taxとは別に法人設立ワンストップサービスは利用しないだろうなと思います。
代表者のマイナンバーカードを必要とする面からもわかるように、代表者がすべての手続きをご自分でやられることを前提にしているサービスだと思います。
登記は司法書士、労務関係は社会保険労務士で代理手続き可能ですが、どちらもオンラインでの手続きが可能かと思います。
「思います」というのはこれらの手続きをしたことがないので確実ではないのでご了承ください。
つまり、法人設立の際に、登記関係は司法書士へ、労務関係は社会保険労務士へ、税金関係は税理士へ依頼すると、それぞれの専門家がそれぞれオンラインで手続きできる状況にあります。
登記や労務や税金をすべて設立者が自ら行う場合には、法人設立ワンストップサービスは非常に便利です。
しかし、上記の手続きのいずれかをその専門家へ依頼される場合には、その専門家がオンラインで手続きを行うので、法人設立ワンストップサービスは利用しないだろうなと思います。
結局は代表者のマイナンバーカードが必要になりますしね。
現状としては現実的ではない印象
法人設立ワンストップサービスは設立する方が全てご自分でやられる場合には大変便利で、税理士などの専門家は利用はしないだろうなという状況です。
あくまでも私の想像ではありますが。
そんな法人設立ワンストップサービスですが、法人設立の手続きをすべてご自分でやられる方がどのくらいいるかを考えてみましょう。
税金関係の届出は比較的記載方法が簡単なのでご自分で提出可能かもしれません。
そこだけ法人設立ワンストップサービスを利用をするのはアリかもしれませんね。
しかし、登記するために必要な定款や労務手続きの書き方なんて、パソコンの説明を読むだけで一般の方がご自分で完結可能だろうかと疑問が残ります。
実際私は定款作成と認証は行政書士に依頼しましたし、登記は自分で法務局へ持参しました。
労務関係の資料については年金事務所に行ってその場で書きました。
労務関係の手続きなんて自分でしたことなかったので書き方がわからなかったからです。
自分で書いて不備があるくらいなら行って聞きながら書いた方が効率が良い。
きっと一般の方でも私のような方は多いのではないでしょうか。
法人設立ワンストップサービスでは問診などもあり大変親切(?)になっております。
それでもご自分ですべてを作成するのはとても難しい印象を持っています。
もちろんできる方も一定数はいらっしゃるとは思いますが。
その割合はまだまだ少ないのではないかなと思っています。
まとめ
定款認証や法人登記までオンラインで手続き可能となったのが令和3年2月です。
登記後の申請手続きのサービスは令和2年1月からスタートしていました。
それでも利用したという話は私は聞いたことがありません。
私が知らないだけかもしれませんが。
法人設立ワンストップサービスはまだまだ始まったばかりのサービスです。
ここから少しずつ使いやすいサービスになっていくことを期待をしています。
【編集後記】
今週は県内のコロナ感染が急上昇していてびっくりしています。
感染対策をきちんとしないといけませんね。
Zoomでの打合せがまた増えそうです。
【家族日記】
先日、アンパンマンミュージアムに遊びにいってきました。
このコロナの状況なので一部遊べないものもありましたが、人は少なめ。
子供たちは自由に遊び回り、楽しそうでした。
県独自の緊急事態宣言がでましたので、しばらく遊びに連れて行けないな。