遺言書を作成しない理由3つの「大丈夫」は全然大丈夫じゃない

平成30年の民法改正により平成31年1月13日から自筆証書遺言の作成方法が緩和された。

これは遺言書の作成を国も推進している証でもあります。

相続対策には欠かすことができない遺言書の作成ですが、どうしても後ろ向きな方が多いのがまだまだ現状です。

「遺言書の作成=自らの死」というイメージがまだまだ残るのが原因ではないでしょうか。

そして多くの方からの返答に3つの「大丈夫」があります。

この「大丈夫」が全然大丈夫じゃないんですよね。

3つの「大丈夫」をみていきたいと思います。

目次

1つ目の「大丈夫」・・・子供たちが仲が良いから大丈夫

まずひとつめが、子供同士は仲が良いから大丈夫。

子供同士が仲が良いのは非常に良いことですね。

しかし、これは親であるあなたがご健在であり、相続がまだ発生していない状況での「仲が良い」です。

もしあなたにご相続が発生し、子供たちであなたの遺産を分割するとなった場合、どうしてもお金が絡むことになります。

相続は相続税法という税金の対象にはなりますが、遺産をもらう手続きとなります。

もらえるものならもらいたいという気持ちが生まれるのが人間というもの。

そしてもっと厄介なのがそれぞれ子供たちの配偶者などの第三者の存在。

配偶者が口を出してくると、更に揉める確率は高くなります。

むしろ第三者である配偶者が口を挟んできた時点で揉め揉めのスタートです。

生前は親族間で仲良くしていたとしても、遺産が目に入ることによりその関係が悪化することが往々にしてあり得ます。

それが生じないと保証できるでしょうか。

将来のこと、しかもあなたが亡くなった後のことです。

保証なんてできないはずです。

だから、子供たちが仲が良いから大丈夫、は全然大丈夫じゃないんです。

2つ目の「大丈夫」・・・まだまだ元気なので大丈夫

そして2つ目が、まだまだ元気なので大丈夫。

もちろん今は元気でしょう。

体調はいつ悪くなるかなんて誰にもわかりません。

明日交通事故に遭わないという保証もありません。

明日も明後日も元気である保証は誰にもできません。

それはあなたに限らず、私にも言えることです。

そして、遺言書は、元気なうちに作成しないと効力を有しません。

万が一認知症等になってしまい、判断能力が欠如した状態になってしまうと、有効な遺言書を作成できる可能性は低くなります。

稀に具合が悪くなったら作成する、とおっしゃる方がいます。

しかし、具合が悪くなったら作成することができないんです。

遺言書は元気だから作成できるんですよね。

だから、まだまだ元気なので大丈夫、も全然大丈夫じゃないんです。

そこはきちんと理解して頂けるように説明していかないといけないなと思います。

3つ目の「大丈夫」・・・資産が少ないから大丈夫

そして3つ目が、資産が少ないから大丈夫。

正直、資産が少ないからこそ遺言書が必要だと私は思っています。

よくある例は、ご自宅の土地と建物、そして金融資産のみのケース。

相続税はかからないケースもあり、遺言書の作成なんて必要ないと思われている方が多い。

それ故に発せられる「資産が少ないから大丈夫」。

この大丈夫の意味は、おそらく税金がかからないから、でしょう。

遺言書の作成は税金のためだけに作成するものではありません。

相続人間で揉めないために作成する意味の方が強いと私は思います。

これまでの経験上、一般的なご家庭で相続の争いが生じる原因は金額の大小ではなく、相続人の気持ちにあります。

親の面倒を見てきたのは私だ。

兄貴は大学まで行ったのに、自分は高校を卒業してすぐに働いている。

なんてのはよくある争いのスタートです。

遺言書には遺産の分割方法だけではなく、ご自身の「気持ち」も残せます。

自宅を長男に相続させるに至った想いや相続して欲しい理由など。

遺言書を残すことにより遺産の分割案だけではなく、ご自身の相続人に対する気持ちもセットで残せます。

もちろん金額に対する不公平感も生前であれば対策もできます。

つまり、資産が少ないから大丈夫、も全然大丈夫じゃないんです。

資産が多い場合には相続対策と同時に相続「税」対策が必要になります。

資産が少ない場合には、相続対策が必要になります。

資産が少ないからこそ相続対策が必要になってくると私は思いますね。

    

まとめ

遺言書の作成についてお話をすると、決まったように返ってくるこの3つの「大丈夫」。

大丈夫だと思いたい気持ちはわかります。

面倒だなと思う気持ちもわかります。

手間ですものね。

でも、このちょっとした手間で、のちの親族間の争いが生じるリスクを下げられると思えば、単なる手間にはならないのではないでしょうか。

争いが生じないように遺言書を作成することも大事になってきます。

私は案件のケースにより紹介する専門家を変えています。

弁護士、司法書士、行政書士などをご紹介して作成してもらっています。

餅は餅屋です。

正しい遺言書を作成するようにしましょう。

    

【編集後記】
ずーっと行きたかった一蘭にやっと行けました。
福岡で初めて食べた一蘭。
関東でもよく食べていた一蘭。
やっとオープンした仙台店。
仙台に行く機会がなかったのでなかなか行けませんでした。
たまに食べに行こうかなと思っています。

【家族日記】
毎日のように姉妹げんかや姉弟げんかが勃発する我が家。
朝から勃発、おやつも勃発、お風呂も勃発、寝るときも勃発。
勃発し過ぎじゃねって感じです。。。
まぁ一人っ子では味わえないことなのでこれはこれで良いのかなとは思いますが、それにしても騒がしい。
理由もこれまたくだらない。
どこもそうなのかなぁ。
うちだけなのかなぁ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次