10年間に及ぶ受験生活で私が失ったもの・得たもの

今日は2021年7月23日。

東京オリンピックの開会式が行われます。

コロナ渦での開催、そして関係者の人選ミスなど、色々ありますが、今夜開催される予定ですね。

そんな世の中ですが、税理士受験生にとっては正直東京オリンピック・パラリンピックよりも8月の試験のことで頭がいっぱいでしょう。

私が受験生だったら絶対そうなので。

私は学生時代から簿記の勉強を始め、会計士試験を一度だけ受験し、それから税理士試験へ転向。

結果勉強開始から15年後に税理士登録をしました。

もっと短期間で取得できる人は山ほどいますが、私はスタートから登録まで通算で15年を費やしました。

途中5年間ほど別の道を歩んでしまったので、受験生活は10年くらいですね。

それでも長い。

受験生活が長くなっている受験生は真っ暗なトンネルとひたすら走り続けている状況かと思います。

私もずっとそうでしたので。

その10年間という長い受験生活で色々なものを失い、そして色々なものを得ました。

これらをちょっとだけ振り返ってみようかなと思います。

目次

10年間の受験生活で失ったもの

失ったものはたくさんありますが、思いつくものを4つだけ挙げてみようと思います。

本当はもっともっと失っていると思いますけどね。

大学の友人たちと過ごす青春の時間

私が資格の勉強を始めたのは大学生の頃。

資格の学校TACの出張講座が始まりです。

簿記3級から始まり、簿記2級、そして公認会計士試験へと進み、のちに税理士試験へ転向しました。

簿記3級と2級はそれほど講義数は多くありませんが、会計士試験は講義数がハンパなく多く、毎日予備校に通ってました。

大学と予備校のダブルスクールですね。

朝から始発で予備校に通い、早朝勉強をしてから大学へ行く。

大学が終わるとまた予備校へ戻り終電まで講義と勉強という生活。

当時はサッカーサークルに入っていましたが、ほとんど参加できませんでした。

どうしても1度くらい合宿には参加してみたいなと思い、21時過ぎに予備校の講義が終わってから合宿所へバイクで向かったことがあります。

着いたらみんなもう酔っ払ってて爆睡してる感じ。

翌朝みんなに「いつ来たん!?」ってびっくりされる始末。

サークル活動もできず、アルバイトもできず、平日も土日も予備校に缶詰という生活を送っていました。

当然ながら友人たちと遊ぶ時間なんてない。

青春といえる大学生活はほとんど送れませんでした。

学生の受験生はみんな同じ感じかなって思います。

友人たちと遊ぶ時間を削って勉強勉強です。

自分で選んだ道ですから苦ではありませんでしたが、今思うと私の青春時代はTAC生活だったなと断言できます。

それはそれで楽しいんですが、友人たちと飲んだり旅行に行ったりという時間を失っていたことは確かですね。

予備校の受講料という多額の現金

これは計算したくない程の金額を予備校に支払っていますね。

予備校に通い始めたころは大学生。

当然受講料を支払うお金は持っていませんでした。

親にお願いし、高い受講料を支払ってもらいました。

親元を離れて一人暮らし。

私立の大学。

それに加えて予備校の受講料です。

本当に親には感謝しても感謝しきれません。

簿記3級と2級までは自分の貯蓄で払えましたが、公認会計士試験講座の受講料はとてもじゃないけど払えませんでした。

それでも両親は頑張れよと快く支払ってくれました。

税理士試験へ転向してからも安くない受講料を落ちる度に支払うことになります。

10年という受験生活で、とんでもない金額を支払っているはずです。

計算したくないのでしませんが、多額の現金を失ったことだけは確かです。

子供たちと過ごすたわいもない日常生活

受験生時代に結婚し、子供も生まれました。

家族と過ごす時間を確保できるように工夫はしていましたが、どうしても大切な時間が削られていたことは確かです。

平日は仕事もありますし、帰りも遅い。

朝しか家族と過ごす時間はありませんでした。

そんな朝の時間も早朝から勉強するために早く家を出て、職場近くのカフェで勉強。

そんな生活なので平日は朝の出発前の少しの時間だけ。

一応休みだった土日も早朝から午前中いっぱいは自宅や図書館で勉強し、家族と過ごせるのは午後のみ。

午前中は勉強ということもあり、家族でどこかにお出かけもあまりできませんでした。

土日すら家族と朝からずっと一緒に生活を送れなかった受験生時代。

独身のうちに合格していればって何度思ったことか。

まぁそんなこと言っても仕方がないのでひたすら勉強してましたけど。

大事な家族との時間を失っていたことは間違いありません。

夏の花火大会の思い出

税理士試験は毎年8月の始めに行われます。

それに向けて毎年勉強に励むわけですが、7月や8月上旬にある夏の花火大会には当然参加できません。

私が住んでいたところの花火大会は7月が多く、受験生時代は一度も参加したことがありません。

これは子供が生まれてからも変わらないので、合格するまで花火大会には行ったことがありませんでした。

花火の音だけを聞きながら自習室で勉強。

花火の音だけを聞きながら自宅で勉強。

そんな夏の思い出しかありません。

試験が終わってから開催される花火大会もありましたが、場所が遠かったりするので実際参加したことはありません。

夏の風物詩って勝手に思っている花火大会に、合格した翌年に参加できたときは感慨深いものがありましたね。

10年間の受験生活で得たもの

逆に得たものもありますので、同じく4つ挙げてみようと思います。

コツコツ努力して合格できたという自信

これは受験生活が長かろうが短かろうが、合格できたという達成感は、何物にも代えがたい自信を得られます。

実際、途中でドロップアウトしていく人たちを何人も見てきました。

私も一度ドロップアウトしていますしね。

公認会計士試験の失敗という挫折も味わいました。

それでも税理士試験に転向し、何度も不合格を経験し、大学院に進んで勉強もし、やっと税理士という資格を得られました。

資格試験の勉強は時間があるときにまとめて勉強をするというものではありません。

毎日少しでも勉強を継続することが大事となります。

毎日コツコツ、どうしても時間がないときは寝る前や起きて直ぐの5分でもいいので勉強していました。

そんな小さな努力をコツコツ積み上げていくのが資格試験の勉強だと私は思っています。

稀にみる天才は除いてね。

このコツコツ毎日勉強してきたことは、何物にも代えがたい自信に繋がっています。

この自分への自信は努力した先に得られるものであり、それを客観的に証明してくれるのが合格、そして資格だと思います。

日常生活の有り難みを感じられるようになったこと

これは失ったものから得られたものです。

家族と過ごすたわいもない日常生活。

資格試験がなければ参加できた花火大会。

これは失った経験があるからこそ、それらが当たり前ではないと感じられる。

日常生活をただ送っていると、子供との時間はごく普通の時間に感じてしまったり、花火大会だって毎年あるただの祭りだと思ってしまいます。

でも長い受験期間中それらを失っていたので、欲しくて欲しくてたまらないものと変わりました。

だからこそ、当たり前だと思っていることは、当たり前ではないんだと感じられるようになったんですよね。

これはコロナ渦の今、これまで当たり前だった生活が当たり前ではないんだと気付けたことに似ていると思います。

感染防止が優先になり、今まで出来ていた日常生活を送ることができなくなりました。

オリンピック・パラリンピックだって観戦が当たり前だったのに、今回は観戦さえ難しい。

コロナ渦の今、これまでは何も感じていなかった日常生活が、とても有り難く、とても大事なものなんだと感じています。

受験時代はその外的環境が『勉強優先の生活』だったということです。

勉強優先となったために、当たり前に送れたであろう日常生活を送れなくなり、参加できたであろう花火大会に参加できなかった。

受験生活により、当たり前の生活が当たり前ではないんだと気付くきっかけを得られたと思っています。

子供たちに語れる実体験を得られたこと

子供の行動を見ていて感じることがありました。

私は受験生時代、平日も土日も毎朝早起きをして自室で勉強をしていました。

一番上の子が小さい頃、起きるとパパはお部屋で勉強しているというのが我が家の日常でした。

勉強内容が変わっても朝の勉強は今も変わりません。

読書に変わったり、朝ランに変わったり、FPの勉強に変わったりはしますが、朝やるというのには変わりはありません。

そして今、子供たちは夏休みになり、毎朝早起きをして宿題をやっています。

私も奥さんも指導はしていないし、強制もしていません。

自ら早起きをして勉強をしています。

思い返すと、パパみたいに勉強すると以前言われたことがあります。

これは正直、受験時代の私の背中を見せることができたからなのではないかと思っています。

あくまでも私が思っているだけかもしれませんが。

必死に勉強しているパパの姿を子供たちに見せることができた。

そして、きちんと合格して結果を出し、資格を得られた。

勉強に限らず、努力すれば実る可能性があるということを証明できたことが、私の中では一番大きな成果だと思っています。

今後子供たちが何かやりたいことを見つけたとき、そして諦めかけたとき、自らの実体験を語ってあげることができる。

根性論だったり、本に書いてあることを語るのではなく、素直に語ってあげられる実体験を得られたことは、最大のご褒美だと思っています。

独立して我が道を進みやすい税理士業という独占業務

これは税理士という資格の特徴ですが、参入障壁が高い独占業務を得られました。

だからこそ私は今独立して我が道を進めているのだと思います。

税理士には独占業務があります。

税理士に限らずですが、士業にはそれぞれ独占業務があります。

それゆえに独立開業する士業が多いのだと思います。

逆に言うと、独立するために資格の取得に励んでいる方も多いと思います。

今は日本でもフリーランスが増え始め、独立して自由に仕事をしたい人が増えています。

例外なく私もその一人です。

しかし、税理士という資格を得られなければ、独立していたかどうかはわかりません。

きっと独立していないと思います。

税理士という専門分野を扱える資格を得られたからこそ、我が道を進みやすくなったことは間違いありません。

まとめ

10年間という受験生活で失ったものと得られたものを4つずつ挙げてみました。

人それぞれ勉強の環境が異なりますので、失うもの・得るものも異なるでしょう。

それでも、可能な限り、諦めずに突き進んで欲しいなと思っています。

私も突き進んだからこそ今の税理士人生があります。

今年の税理士試験は8月17日から3日間ですね。

東京オリンピック・パラリンピックの影響で例年より後ろにずれています。

オリンピック・パラリンピックで盛り上がっている状況で、観戦できずに勉強に集中しなければなりません。

今年の受験生は非常に辛いと思います。

でも、これに関しては受験生みんな同じ環境です。

やるしかない。

残り3週間ちょっとです。

誘惑に負けず、最後のスパートに全力で取り組んで欲しいなと思います。

    

【編集後記】
コロナワクチンの予約がようやくできました。
来週は新規のご契約や出張もあるので、副作用がでないことを祈るばかりです。

【家族日記】
子供たちも夏休みとなり、家族でキャンプに行くことにしました。
必要なものをみんなで買い出し。
テンション上がりまくりの子供たちを見ているとこっちも楽しい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次