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2022年5月13日 / 最終更新日時 : 2022年5月13日 miyagizeirishi 01 会計・税務・経営

書面による貸倒損失の計上は寄附金認定のリスクあり

ビジネスでは売上を計上するとともに、売掛債権も計上します。

そして、売上債権を回収して初めてひとつの取引が完了します。

資金繰りの面においても債権の回収は超重要です。

そんな売掛債権ですが、どうしても回収できないケースも発生します。

コロナ渦の今、業績が低迷し、債務者から回収できないリスクは高まっています。

では、回収できない場合には、直ちに貸倒損失を計上して損金処理できるのか。

それができないんですよね。

貸倒損失に計上するには厳格な条件があります。

場合によっては寄附金と認定されるリスクもありますので注意が必要です。

【 目次 】

    • 貸倒損失に計上できる要件
    • 債務超過の相当期間とは何年なのか
    • 寄附金となる可能性もある
    • まとめ
  • 関連記事

貸倒損失に計上できる要件

貸倒損失に計上できる要件は、法人税基本通達9-6-1に記載されています。

内容は以下の通りです。

 (1) 更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額

 (2) 特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額

 (3) 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより切り捨てられることとなった部分の金額

  イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの

  ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの

 (4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額

国税庁HP(金銭債権の貸倒れ)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_06_01.htm

実務において貸倒損失の計上を検討する場合には、まず(4)の書面による貸倒損失の計上を視野にいれるのではないでしょうか。

更正や再生の決定や清算などの法的手続きにより貸倒損失を計上するのではなく、債権放棄した事実により貸倒損失を計上する(4)を検討することになるでしょう。

その場合に一般的に利用されているのが内容証明郵便です。

貸倒損失を計上するための「債権放棄をした事実を証明する資料」として利用できるからでしょう。

ただし、宛先人不明などで返ってきてしまった場合には証拠にはなりませんので注意が必要です。

債務超過の相当期間とは何年なのか

書面による貸倒損失の計上を検討する場合には、債務者が債務超過の状態であり、それが「相当期間」継続している必要があります。

ではその相当期間とは何年なのか。

これが明確に示されていないので難しいところです。

国税庁の質疑応答事例においても何年とは書かれていませんでした。

国税庁HP質疑応答事例(第三者に対して債務免除を行った場合の貸倒れ)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/16/03.htm

例えば3年や10年など、具体的な期間を明示されていれば実務上は計上しやすいのですが、その期間が曖昧になっています。

結局は個別事情で判断してねって書かれています。

つまり、債務者の状況により個別に判断しなければなりません。

とても難しいですよね。。。

寄附金となる可能性もある

書面による貸倒損失の計上を検討される場合に、内容証明郵便を送ってさえいれば計上できると思われている方がたまにいらっしゃいます。

しかし、これはとても危険、というより税務調査では否認されるでしょう。

形式としては書面による証拠である「債権放棄をした事実を証明する資料」が存在します。

でもこれは相手の状況を無視して、一方的にこちらから債権放棄しただけですよね。

債務者の状況が債務超過でないにもかかわらず、あるいは債務超過であっても「相当期間」継続していないにもかかわらず、債権放棄をしたことになります。

この場合には、債権者が債務者に対して、債権を放棄してあげることによる経済的利益を供与していることになり、単なる「寄附金」として認定されてしまうリスクがあります。

寄附金として取り扱われる場合には、債権放棄した額のうち、寄附金の損金算入限度額として計算される一定の金額までしか、損金として算入することができません。

そういったことにならないように、貸倒損失の計上を検討する場合には、形式だけではなく債務者及び債権者の実態も精査したうえで判断する必要があるということですね。

まとめ

今回は書面による貸倒損失の計上について書いてみました。

貸倒損失の計上を検討する際には、実態の把握段階で足踏みするケースが多いように思います。

形式はそれほど難しくはありませんが、実態の把握と要件のあてはめが非常に困難な印象を受けます。

場合によっては寄附金認定されてしまるリスクがあります。

実務の難しいところではありますが、それぞれ個別事情で慎重に判断していくしかないということですね。

  

【編集後記】
3月決算が大詰めです。
決算作業自体は終わりましたが、報告がまだ残っています。
5月は有り難いことに仕事でバタバタしています。
仕事があることに感謝し、コツコツ頑張りたいと思います。

【家族日記】
まだまだコロナが邪魔をしてきます。
習い事がやっと再開したかと思えば、幼稚園で学年閉鎖。
それに伴って習い事は出席できず。
ほんと嫌になっちゃいます。
一番我慢しているのは子供たちです。
早く敏感になり過ぎない日常が戻ることを祈るばかりです。

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