税理士業界への転職について振り返る

9月1日は私が税理士業界へ転職した日。

私にとっては特別な日です。

大学職員から税理士法人へ転職しました。

今では無事に税理士となり、独立しています。

当時は今の自分を全く想像できなかった。

転職して本当に良かったと思っています。

目次

税理士への憧れを捨てきれなかった

私は大学を卒業して1年間はアルバイトをしながら受験。

結果は全滅でした。

その後2年間、税理士試験に専念していました。

つまり無職ですね。

大学まで卒業させてもらいながら、ニートです。

とんだ親不孝者でした。

当時は2年間で3科目以上合格しなければ税理士試験は諦める気持ちでいました。

結果、2年で合格できたのは2科目のみ。

諦めの気持ちで就職をしたのが大学職員でした。

職種としては経理職。

税理士試験の勉強をしてきた私にとっては経理であればまぁいいか、という気持ちで入社しました。

後で知りましたが、当時の倍率は200倍だったそうで、私大職員って人気なんだなと思った次第です。

実際職員として働き始めて思ったことは、仕事は楽で給与は高い、ということ。

経理だからなのかわかりませんが、仕事は楽で毎日定時あがり。

それでいて世間よりも給料は良かった。

最初の2年間はこんな楽な仕事で生きていけるならそれはそれでアリかもな、なんて思ったものでした。

しかし、2年が過ぎた頃に、「このままでいいのか?上司のような人間になっていいのか?」と疑問を抱くようになりました。

別に当時の上司を悪く言うつもりはありませんが、私のなりたい人間像には程遠い印象でした。

毎日始業時間から新聞を広げ、1時間ほどすると煙草を吸いにでかけ、1時間ほどして戻り、また新聞を広げ、またたばこを吸いに行く。

この繰り返しにランチを挟み、17時前になると帰る準備をはじめ、定時になるとのそのそと帰っていく。

私にはこのような生活を送る人間にはなりたくない、そう思い始めたのが税理士への転職を志したきっかけです。

そこから夜間と土日で大学院へ通学し、税理士試験にも再挑戦し、大学院を卒業した年に税理士法人に転職することになります。

大学院に通った2年間は非常に忙しく、その忙しさがまた嬉しくも感じました。

目的もなく生きるのではなく、税理士という目標をともに共有し、共に勉強し、夜遅くまでゼミ室で語り合う。

そんな仲間に出会い、税理士への憧れもさらに強くなったものです。

ゼミ仲間は税理士法人や税理士事務所に勤務している方たちが多くいました。

私は実務の話は全くわからなかったので、みんなに色々教えてもらい、税理士業界のイメージを膨らませていたものです。

卒業したらすぐに退職届を提出して転職するつもりで動いていました。

それくらい税理士への憧れが強くなっていましたね。

早く脱出したい。

そんな気持ちでした。

実際、大学院を卒業した年の9月から税理業界に飛び込むことになります。

大学職員の経歴はプラス要素がなかった

大学院の修士論文がひと段落し、さて転職先を探そうと動き出しました。

そこで感じたのは、大学職員の経歴はまったく役に立たないということ。

それはそうですよね。

上で楽な仕事と書いたように、仕事は楽なんです。

そんなぬるま湯に5年も浸かっていたのです。

その5年をどのようにアピールするのか。

アピールする要素がないのです。

この時の転職活動は本当に辛かった記憶があります。

5年間も「無の経験」をしてしまっていたのです。

大学職員の仕事を否定するつもりはありません。

やりがいを感じながら職を全うされている方もいらっしゃるでしょう。

実際にはそのような方をごく少数ですが知っています。

しかし、この5年間が私の望む転職には「無の経験」となってしまったことは事実です。

転職にはアピールが必要です。

しかし、アピール要素がない。

仕方がないので保有している資格と大学院卒業という学歴のみで探すしかなかった。

税理士法人や税理士事務所へ履歴書を送っても書類さえ通らない。

遠方の事務所へも何通も送りました。

大学の頃に同級生が就職活動で何通もエントリーシートを書かなければならないと嘆いていましたが、それが数年遅れでやってきた感じです。

そんな中、日本では大手の税理士法人である山田&パートナーズになんとか内定を頂き、転職が実現しました。

保有資格と大学院卒の学歴のみでよく採用してもらえたなと思いましたが、こればっかりは本当に運がよかったとしか思えません。

可哀そうだから採用してくれたのかもしれません。

実務経験なしの30歳過ぎのエセ社会人ですからね。

税理士法人山田&パートナーズには今でも感謝しています。

30歳を過ぎて飛び込みゼロからのチャレンジ

私が転職したのが31歳。

26歳から大学職員となり、5年間は大学の経理職。

民間企業での社会人経験がなく、ビジネスマナーも知らんという状況。

「無の経験」を積んだ31歳の私は、世間の厳しさを思い知ることになります。

ありがたいことに新人として扱っていただき、ビジネスマナー研修も受講させていただきました。

本当に感謝してもしきれないくらいですよね。

普通なら社会人になって最初に受けるべきビジネスマナーを31歳になってやっと受講しているんです。

普通なら恥ずかしいってなるのかもしれませんが、私は嬉しかった。

大学職員の頃には「世間」という「社会」を知る機会がなかった。

それで通ってしまう「狭い社会」にいたんですよね。

そこを脱出できたのが31歳。

31歳から社会人人生が始まったようなものです。

入社した当時、私は所内で2番目に年上でした。

先輩も同期も年下。

辛いことやイラついたことがなかったかと言うと噓になります。

むしろ毎日何かしら感じていたかなと思います。

でもね、年下だろうが実務においては大先輩。

社会人としても大先輩。

色々教えていただきました。

当時の上司は唯一の年上で、めちゃくちゃ憧れる税理士でした。

今でも憧れています。

人間性も仕事のスキルも、すべてが憧れ。

憧れの上司がいるって幸せなことです。

あーなりたくないという上司しかみたことがなかった私には、憧れの上司がいる環境が幸せ過ぎて幸せ過ぎて。

上司のような税理士になりたいと思いながら仕事していました。

ありがたいことにその上司とは今でも連絡を取らせていただいています。

困ったら相談もさせていただいています。

本当にありがたい。

31歳にゼロからスタートしましたが、なんとか税理士としての実務経験も積ませていただき、今では独立して自分の事務所を構えています。

あの転職は私の人生を変えてくれました。

31歳という遅いスタートでしたが、あの時にリセットしたことに後悔はありません。

むしろ当時の自分を褒めてやりたい。

あの時動かなかったら今の私はありませんからね。

まとめ

税理士業界への転職について振り返ってみました。

異業種からの転職って勇気がいることだと思います。

公務員から税理士を目指されている方もいらっしゃいますね。

なんとなくですが、動機は私と似たり寄ったりなんじゃないかなと思ったりもします。

転職してすぐは辛いことが多いでしょう。

きっと辛いことが多いです。

でも数年後、その転職が自分の人生を変えることになるのは間違いありません。

是非乗り越えて欲しいなと思います。

どうやら2年前くらいに大学職員と税理士を比較したことを書いていたようです。

よければ読んでみてください。

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【編集後記】
自己研鑽にはお金がかかる。
でも自分への投資を惜しむと成長できない。
自分自身が成長し続けないと顧問先へのサービスに変化が生まれない。
常に成長を意識して自己研鑽に努めたいと思います。

【家族日記】
両親や姉家族弟家族と一緒に1泊旅行に行ってきました。
子供たちはいとこたちと遊べて大満足。
計画してくれた姉家族には感謝です。
またみんなで集まれるといいなぁと思います。

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