持続化給付金への課税に対する考え方

新型コロナウイルスの経済対策として色々な給付金や助成金の交付がありますが、最近になってやっと持続化給付金が振り込まれていますね。

そこで経営者から出る不満が「給付金に対する課税」です。国からもらうのに何で税金とられんねん!ってなります。

気持ちはわかりますが、法律ではそうなってるんですよ…

目次

持続化給付金は所得税・法人税の課税対象

新型コロナウイルスによる経済対策のうち、営業自粛や休業要請に応じる形で大きな影響を受けている事業者に対し、売上が前年同月比で50%以上減少していることなどの要件を満たせば、業種を問わずに給付されるのが持続化給付金です。

受給している経営者の方は多いのではないでしょうか。

こちらは受給すると中小企業であれば法人税、個人事業主やフリーランスであれば所得税の課税対象となります。

これに納得できない経営者もいらっしゃいます。国からもらったのにまた国に持っていかれるの?ってなります。しかし、法律上は課税対象となるのです。

なぜ課税されるのか

経済産業省に寄せられた持続化給付金に関するQ&Aにも「持続化給付金は課税の対象になるのか」という問い合わせもホームページで掲載されています。

https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-qa.html

その回答が次の通りです。

「持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。」

なんでこんな回答の仕方をするんでしょうかね。一般の方には最後の「結果的に課税対象となりません」だけが印象つきますよね。

結局は課税されるけど、収入より費用が多ければ課税されませんよ、ってそりゃ当たり前ですよね。赤字なんですから。

そもそもこの質問では費用のことは考えずに、持続化給付金自体は課税なの?非課税なの?を聞きたいのに得意のまわりくどい言い方で逃げてるようにしか読み取れません。素直に「課税です」って答えればいいのに。

ではなぜ課税になるのか。それは、この給付金の支給が、事業者の収入が減少したことに対する補償であったり、家賃の支払などの必要経費の補てんを目的として支給されるものであるからです。

あくまでも「事業継続に対する新型コロナウイルスの影響に伴い負った損失の補填」だからです。

中小企業や個人事業主等でも、持続化給付金をもらえない経営者は大勢います。この状況下でも負けずに事業を経営しています。

それらの経営者との課税の公平の観点から考えると、頑張って経営して得た収入と、休業して得た給付金は、同様に扱うべきとなります。

経営を休んだら非課税で、頑張って経営したら課税。これはなんか腑に落ちませんよね。あくまでも収入補償だと考えれば課税もやむなしかと思います。

補助金も受け取れば課税される

持続化給付金が課税対象となり、プンプンされている経営者も多いと思いますが、冷静に考えると、経営にまつわる補助金や助成金って色々ありますよね。その補助金や助成金ってもらったら課税ですよね。

例えばものづくり補助金。中小企業や小規模事業者等が認定支援機関と連携して、生産性向上に資する革新的サービス開発等の改善を行うための設備投資等を支援するもので、中小企業庁で募集します。こちらの補助金をもらったら課税の対象となります。

おそらく受給された経営者は課税対象になるのに文句は言わないのではないかと思います。

こちらの補助金は「設備投資を支援するもの」ですよね。つまり「事業に必要な経費(正確には資産計上ですが)を補填」しているので、その分自己で負担する経費が減るので文句はないと思います。しかも返済不要ですからね。

こちらの補助金と持続化給付金を比較してみると、どちらも「経費の補填」ですよね。置かれた状況下は異なりますが、支給目的は同じなので、取扱いも同じになるのでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けている経営者へ支給される持続化給付金ですが、もらうと課税となります。これは支給趣旨からすると仕方がないのかなと個人的には思います。

しかし、状況はリーマンショックを超える悪環境です。課税の公平という観点から課税可否を判断するのであれば、受給するほどの収入減であることなども考慮して、慎重に議論されるべきなのではないかなと思います。

持続化給付金は見舞金としての性質も有しているのではないかなと個人的には思うので、課税しなくても良いのではないかなと思っています。

今後更に議論されるのかな…されないのかな…。

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